豆腐小僧の随筆

気ままに書くよ

感想文:巴里マカロンの謎 著:米澤穂信 出版:創元推理文庫

懐かしい!と思って手に取った小市民シリーズ。

最後に読んだのは、おそらく主人公とあまり年齢が変わらない時であって、その時確か新刊を待ち望んでいたなあ、と思い出しました。やっと叶いました!

もちろん話が好きなのもあるけれど、この小市民シリーズの絵がとても話にあっていて好きなんだよね。

そして、2人が言う小市民とはなんなのか、私は10年以上前から気になっている。それが気になるのは私が小市民の証(笑)

 

結構人が死なないミステリーも好きなんだけど、そんなミステリーは時折人が死ぬミステリーより悪意に満ちているときもある。平和なものが多いではあるけれども。

この本を読んだら、日常に悪意とか敵意は実は潜んでいるのよね、と感じる。

それは表面に出てないだけで、きっとみんな持っていて、ふとした瞬間にあふれるときがある。

確かに、この悪意や敵意を得意げに解き明かすことを第三者がやることではないな、と思うし、でも、傷ついた人もいる。けれど、その人自身も自分に対して悪意を持っている人がいるのを受け止めるのは、悪意の標的になるより、きつい時もあるのでは?

表面化したものを知って幸せになる人がいない時もあるよね。

私が、悪意をぶつけられてその悪意の原因をわからない時、何が何でも知りたい!と思って分かった結果が自分にとって苦しいものであったら、どうするだろう。

探偵を憎むかもしれないなあ。あら、悪意が連鎖してる。どうしたものやら・・・。

 

2020年に11年ぶりに新刊が出ていたみたいで、その時は読書から遠ざかっていたので知らなかった。去年くらいに出たのだとばっかり(笑)

タイムラグを感じない、小市民シリーズすごい!

調べると、なんと今月下旬に新たに新刊発行らしくて楽しみです。